【徹底比較】3Dスキャナー購入と3Dスキャン サービス、どっちがお得?
- 株式会社Seed3D
- 3月4日
- 読了時間: 6分
更新日:4月7日

1. 3Dスキャナーの重要性と市場の拡大
近年、3Dスキャナーは製造業や建築業、医療や教育など、多様な分野での導入が進んでいます。高精度な形状測定やリバースエンジニアリング、デジタルアーカイブなど、業務効率化とコスト削減が期待できるため、その需要が急増中です。
しかし、3Dスキャナーを導入する方法は大きく分けて「自社で購入する」「外部の3Dスキャン サービスを利用する」の2パターンがあります。
どちらを選べばよりコストパフォーマンスが高いのか、気になる点を徹底比較していきましょう。
2. 3Dスキャナーを購入する場合のメリット・デメリット
2-1. メリット
いつでも自由にスキャン可能
自社に3Dスキャナーと対応ソフトウェアを導入すれば、時間や場所を問わずにスキャンができます。緊急でデータが必要になっても素早く対応できるのが大きな利点です。
ノウハウが蓄積される
社内で繰り返し3Dスキャンを行うことで、スタッフのスキルが向上し、測定手法や後処理(編集・解析)のノウハウを蓄積できます。将来的により高度な活用が可能になるでしょう。
機密情報管理が容易
外部に依頼する場合と比べ、スキャン対象物やそのデータを外部に渡さなくてすむため、機密情報を社内で保持しやすいというメリットがあります。
2-2. デメリット
初期投資コストが高い3Dスキャナー本体やライセンス費用に加え、ソフトウェアや周辺機材も必要になります。一般的に、高精度な3Dスキャナーは数百万円~数千万円することもあるため、予算確保が課題になることがあります。
保守・メンテナンスが必要定期的なキャリブレーションやソフトウェアのアップデートなど、ランニングコストやメンテナンスを行うリソースが必要です。また、機材が古くなると新しい技術に対応しきれないリスクもあります。
人材育成に時間がかかるスキャン技術やデータ編集スキルを習得するには時間や研修費用がかかります。精度の高い結果を得るためには、専門的な知識と経験が不可欠です。

3Dスキャナーは低価格化なものでも業務で用途次第で使用することができるものもあり、購入する方がお得なケースもあります。一方で高精度3Dスキャナーはカメラレンズや光源で高性能なものを使っており、校正証明書の発行プロセスなどでは人件費もかかり、かつ円安という観点から価格は下がることはなく、上がり続けています。また、本格的な業務に使うためにはスキャナーの他にスキャン後のポストプロセスを行うためソフトウェアが別途必要になります。これは普段CADが使えるから大丈夫だろうと納入し失敗するケースも多々見られるので人材育成も含めてプランに入れる必要が在ります。
3. 3Dスキャン サービスを利用する場合のメリット・デメリット
3-1. メリット
高精度スキャン
サービス提供企業には経験豊富な技術者が在籍しており、最新のスキャン機材を使って精度の高いデータを提供してくれます。自社にノウハウがなくても、プロのスキルを活用できます。
余計なリソースが不要
スキャン作業やデータ編集を外注できるため、人材育成やメンテナンス、機材管理などの手間を削減できます。スポット的な案件でも即対応が可能です。
3-2. デメリット
依頼スケジュールに左右される
依頼から納品までの期間は、サービス提供企業のスケジュールに依存します。急ぎの対応が難しいケースや、追加対応に別途費用・日程が必要になる場合もあります。
機密情報の取り扱いリスク
スキャン対象となる製品や部品の設計データを外部に渡すため、守秘義務契約(NDA)などを結んだ上で依頼しなければなりません。セキュリティリスクを考慮する必要があります。
継続利用の場合の累計コスト
頻繁に大規模なスキャンが必要な場合、都度外注費がかさむ可能性があります。大量に依頼するほど、累計のコストが大きくなるため、長期的には自社導入の方が安くなることもあります。

3Dスキャンサービスは想像以上に高額です。3Dスキャンデータをただ撮るだけというのであればココナラなどで格安でやってくれるところもあるかもしれませんが、そのあとのスキャンデータの処理は専門のテクニックがいるのでそこも含めての金額だと考えましょう。
特にリバースエンジニアリングや精密測定等はCADをやったことがあるから簡単にできるというものでもありません。そこを人手不足の中、社内で育成するのは本業からぶれてしまうというのであれば外注に任せるのも一つだと思います
4. 3Dスキャナー購入 vs. サービス:ケース別の選び方
ケース | 購入がおすすめ | サービスがおすすめ |
使用頻度が高い | 定期的に大量のスキャンが必要な場合 | 単発の案件のみ、月に1回以下など低頻度の場合 |
スキャン対象が多様・変化する | 多様な対象を継続的に試行錯誤したい場合 | さまざまな機材が必要になりそうな場合(外部の専門家が最適) |
ノウハウ構築を重視 | 将来的に社内で設計や解析も行いたい場合 | 今すぐに高度な3Dデータが必要で、社内育成の余裕がない場合 |
予算規模・導入コスト | 数百万円以上の初期投資が可能な場合 | 低リスクで導入を始めたい、または初期投資を回避したい場合 |
セキュリティ要件 | データを外部に出せない製品や部品がある場合 | NDA締結で対応可能な範囲なら、セキュリティ面をクリアできる |
スキャン頻度が高い or 大量スキャン
購入を検討する価値が高い。スポット的な利用はサービスが有利。
社内でノウハウを蓄積したい
自社導入が望ましい。サービス利用だと成果物の提供のみでノウハウは蓄積しにくい。
予算やリソースが限られている
サービス利用から始めて、必要性が高まったら導入を検討するのも一案。
5. 具体的なコスト比較(例)
自社導入
3Dスキャナー:15万円~1,000万円以上
ソフトウェアライセンス:数十万円~100万円以上、たまに無料も
保守・メンテナンス:年間数万円~数十万円
人材育成コスト:研修費用や習熟期間による。
外注サービス
小型部品スキャン:数万円~数十万/1回
中型~大型の構造物:数十万円~数百万円程度/1回
後処理・編集込みのパッケージ:依頼内容に応じて加算 目安:1パーツ20万円前後
ポイント:年間で何回スキャンを行うか、対象物のサイズや精度要件はどれほどかを考慮した上で、長期的な損益分岐点を計算することが大切です。
6. まとめ:状況に応じた最適な選択を
導入頻度・用途が明確で、社内で長期的に活用するなら「3Dスキャナーの購入」が有利。
単発利用や初期投資を抑えたい場合は「3Dスキャン サービス」が適している。
必要性や予算規模があいまいな場合は、まずは外注サービスで試してみるのも一つの方法。需要が増してきたら購入を検討するというステップも考えられます。
自社の業務内容や予算、セキュリティ要件、専門技術者の有無などを総合的に判断し、最適な導入方法を選びましょう。ただ、一方で3Dスキャナーに関する知識を有する人はかなりまれなので総合的な判断を下すのは難しいでしょう。もし現状3Dスキャナーの運用にお悩みであったり、今後の導入やサービスについてお悩みでしたらお気軽に弊社までご連絡ください
本記事では「3Dスキャナーの購入」と「3Dスキャン サービスの利用」のメリット・デメリットを比較し、どちらがよりお得かを解説しました。自社のニーズに合った形で3Dスキャンを導入し、業務効率化とコスト削減を実現してください。